【GIGAスクール】ChatGPTなどのジェネレーティブAIの進化が早すぎて規制の動きが

連日ニュースでChatGPTの名前を聞かない日はないほどですが、急速に広がるものには反動も付き物で、ここにきて規制の動きが出てきています。
イタリアで一時禁止のチャットGPT 規制する?欧米で過熱する議論:朝日新聞デジタル
ChatGPTで他人のチャットタイトルや支払先住所、メアドなどが漏洩:インプレス PCWatch
ChatGPT-4より強力なAIの開発停止、業界リーダーらが呼び掛け:Bloomberg
この他、通常は反社会的な回答やバイオレンスな回答はしないように制限されているChatGPTを、ある問いかけ方をすることでその制限を回避した回答を得ることができる、というものです。まるで、児童生徒によるフィルタリング回避のような話ですが、これはネット上にその方法が広まっていち早くOpanAI側で対策がなされたようでした。
上記のニュースの中で情報漏えいの報道がありますが、それはRedisというデータベースにアクセスするためのライブラリredis-pyのバグだったということだったので、AIとは直接関係はないのですが、これだけ報道が加熱している中でのインシデントであるため、AI自身のバグだと勘違いする人も出てきそうです。
OpanAIに出資していたはずのイーロン・マスク氏も、こういったジェネレーティブAIの安全基準をしっかり設けるまで、一旦新たなAIモデルの訓練をストップしようと言っています。
昨年、大前研一氏は「シンギュラリティ(=AIが人類の知能を超える転換点。または、それにより人間の生活に大きな変化が起こるという概念のこと。)が2035年~2045年に起こる」と予測していましたが、最近の講演では、もっと早くに、しかも一部の分野においてはすでにシンギュラリティが起きていると話をしています。実際、GPT-4が米司法試験にハイスコアで合格したとのニュースもあります。
世界中で「このまま突き進んでだいじょうぶなのか!?」と思っている人がいるわけですが、過去の歴史から見ると世の中に変革をもたらす技術は止めようと思っての止められるものではありません。
上記のような規制の動きはあっても、しばらくこの流れは続くと思われます。
執筆者紹介

佐藤 大輔 satow@affordance.co.jp
株式会社アフォーダンス
エデュケーションサービス事業本部 エバンジェリスト
主に教育機関向けのGoogle Workspace等のクラウドサービスを活用した授業改善にかかるアドバイスや、情報セキュリティにかかる教育・改善支援を実施。エデュケーションサービス事業のエバンジェリスト(伝道師)として学校のGIGAスクール構想推進や運営支援サービスを行う。学校の先生向けの学校著作権研修、保護者、児童生徒向けの情報モラル・デジタルシディズンシップ研修なども実施。