【GIGAスクール】ICT支援員の配置と役割について
少し前の話になりますが、文科省が昨年11月末に発出した「1人1台端末の利活用促進に向けた取組について(通知)」の中で、「ICT支援員のための地方財政措置はすでに行っているのできちんと配置してほしい」という主旨の通知をしています。
もう少し具体的に言うと、
・GIGAスクールが始まって、学校現場からはICT支援員(情報通信技術支援員)が欲しいという要望があがっている。
・しかし国としてはすでに4校に1人配置ができるよう地方財政措置を行っている。
・ICT支援員の配置については全国平均で5.7校に1人の配置に留まっている。
(北海道でみると22.6校に1人という配置人数になっておりまったく目標に届いていません)
・なので、まずは4校に1人、きちんと配置してね。
という話です。
この問題は、「地方財政措置」というのはいろいろな用途のお金がごちゃまぜになって各自治体に交付されて、その使い道が自治体に任されているので、ICT支援員にお金が回されないことが多い、という点です。
さらに、ICT支援員に求められる資格のレベルが高い割に、給料が安いということも弊害になっています。
現場先生が期待するICT支援員像は、「なんでも屋さん」であることが多いと思います。
パソコンのトラブル、ネットワークのトラブル対応だけでなく、ICT活用授業やイベント時の手伝い、機器の準備、片付け、校内研修の実施、セキュリティポリシーの策定、運用ルールの策定などなど、さらには校務支援システムの操作支援まで期待されているという話も聞きます。
ここまで全般的にできる人はIT企業に長く勤めていたような人材を探してもなかなか見つかりません。
しかもこの人手不足の世の中、たとえば「ネットワークに強い」というだけでも、IT企業は正社員で雇用したいと思います。
学校現場では、こういった支援ができる要員が欲しいというのはわかります。
しかしながら、現実として、これほど多岐にわたる業務に対応できる人材はなかなかいないこと(いても別の職についていることが多いこと)、また費用の面でもまったく合わないというギャップから、ICT支援員の配置は進んでいません。
当社はこのあたりのギャップを埋められるよう、基本的には「学校による自律自走」を目標として、学校のGIGAスクールの取り組みの方向性を考えるICT活用アドバイスや、チャットによる問い合わせ対応、情報モラル研修、情報セキュリティ研修、著作権研修など、先生向け生徒向けだけでなく保護者向けにも研修を行っています。
執筆者紹介
佐藤 大輔 satow@affordance.co.jp
株式会社アフォーダンス
エデュケーションサービス事業本部 エバンジェリスト
主に教育機関向けのGoogle Workspace等のクラウドサービスを活用した授業改善にかかるアドバイスや、情報セキュリティにかかる教育・改善支援を実施。エデュケーションサービス事業のエバンジェリスト(伝道師)として学校のGIGAスクール構想推進や運営支援サービスを行う。学校の先生向けの学校著作権研修、保護者、児童生徒向けの情報モラル・デジタルシディズンシップ研修なども実施。