Jamboardの移行先3つを比較。FigJam、Miro、Canva。 | 教育コラム
本年12月のJamboard終了に備え、いろいろなサービスを確認しているものの、現在の結論としてはJamboardに変わるものは無い(完全に互換できるものはない)というところです。
Jamboardが教育に適していた理由を挙げると、
特に二番目のClassroomにて「生徒にコピーを配布」という機能が、他のサービスでは実装できていないのがネックです。
唯一Canvaが類似機能を提供しています。
私が調査した3サービス、FigJam、Miro、Canvaについて特徴を比較しました。
【ホワイトボードアプリの特徴比較】
FigJam | Miro | Canva | |
代表機能 | もともとはウェブ上で図面的なデザインをするFigmaというサービスがホワイトボード機能を提供したもの | 複数人で共有するホワイトボードサービス | 大量のテンプレートと素材が用意された総合デザインツール |
Jamファイルの取り込み | Googleドライブ連携で取り込み可能 | JamboardからPDFにダウンロードした後取り込み | JamboardからPDFにダウンロードした後取り込み |
教育ライセンス申し込み | ドメイン一括で申請可能(時間かかる) | 教員個人が申し込み必要 | ドメイン一括で申し込み可能(簡単) |
安定性 | 複数人で同時編集すると、オブジェクトが突然消える、増えるといった事象が確認されている | 安定して使用できる模様 | 安定して使用できる模様 |
Classroom連携 | できない | できない | できる(課題として提示可能) |
元データを児童生徒個人にコピーして配布 | できない | できない | できる(テンプレートの配布が可能) |
ボード上に配置したオブジェクトのロック | ボード所有者(たとえば先生)が背景などをロックはできるものの、共同編集者(たとえば児童生徒)が自分で解除できてしまう。 | ボード所有者(たとえば先生)が背景などをロックすると、編集権限ユーザーは解除できない。 | ボード所有者(たとえば先生)が背景などをロックはできるものの、共同編集者(たとえば児童生徒)が自分で解除できてしまう。 |
所見 | ・Googleドライブから直接Jamファイルを取り込める現時点で唯一のサービス。そのため、教育ライセンスの包括申し込みが可能なので、使用できる状態にしておくのはよいかと考える。 ・本年12月にJamboardが完全に利用できなくなった後、既存のJamファイルを開くにはFigJamを使用するしかないと思われる。 |
・ホワイトボードアプリの老舗。 ・安定はしている模様。 ・包括でライセンス申し込みできないのが残念なところ。 |
・元々デザインツールとして展開されており、ホワイトボードだけでなく、ドキュメント、グラフ、プレゼン資料、ポスター、名刺など多数のデザインを作ることが可能。 ・そのためインタフェースが見慣れない作りになっている。 ・教育機関向けのライセンス提供が簡単(国内に担当者がいる)。 ・Canvaで用意されている大量の素材は著作権がクリアされている(お便りや学校ウェブサイトで使っても良い)。 |
私としては、著作権がクリアされているCanvaがおすすめと思っています。
いまCanva利用団体が増えてます。Canvaの創立者(オーストラリア出身の女性)の方針で、世界中の子供たちに高水準の教育コンテンツを無償で提供する、というのが社命のようです。そのため、教育機関については完全無料です。
当社、Canvaの国内マネージャー、坂本氏と繋がりましたので、ご依頼いただければ団体申込みからアカウント設定まで代行いたします。
*本日のイメージ画像は、Canvaのマジック画像生成を用いて「パソコンのホワイトボードアプリを使って図形を書いている児童」というプロンプトで生成しました。
執筆者紹介
佐藤 大輔 satow@affordance.co.jp
株式会社アフォーダンス
エデュケーションサービス事業本部 エバンジェリスト
主に教育機関向けのGoogle Workspace等のクラウドサービスを活用した授業改善にかかるアドバイスや、情報セキュリティにかかる教育・改善支援を実施。エデュケーションサービス事業のエバンジェリスト(伝道師)として学校のGIGAスクール構想推進や運営支援サービスを行う。学校の先生向けの学校著作権研修、保護者、児童生徒向けの情報モラル・デジタルシディズンシップ研修なども実施。